本物の味、自然な味、食べる方の健康を、想いをもって製造
食べる方の健康を第一に想い、飛騨高山よしま農園のお漬物、加工品等は、無添加(化学調味料、着色料、保存料等の食品添加物に分類されるもの)を使わない製造を基本姿勢としています。
皆様へ提供する食べ物は、無添加(化学調味料等を使わない)でありたいと想い、試行錯誤した結果、日本の古式製法に立ち返ることが、たどりついた答えでした。
古式伝統製法について詳しく「天宝九年漬物・木樽の物語」→
漬物専門家・園主が語る、無添加漬物のこと
食は人が良くなると書きます。本来の食を求めて
- ■浅漬けか熟成か。
地域性と好みによっても
発酵は、素材をそれ以上に良くする力となる
- ■若者の漬物離れ?・・・以外にも熟成漬物は人気です。
- ■飛騨高山よしま農園のお漬物【古式伝統製法の再現】
無添加・自然色
乳酸発酵 生きる漬物
- ■製造技術の工夫が無添加を可能にした
1.保存料をつかわない。賞味期限を長く保つための工夫
2.着色料をつかわない・・・自然な色
3.精製食塩から、ミネラル含む天日塩へ
- ■添加物(化学調味料)をつかわない
-
浅漬けか、熟成か。地域性と好みによっても
●近年、日本全国のお漬物は、浅漬けが主流になっていますが・・・
私共は、あえて、熟成したお漬物づくりを行いたいと思います。浅漬けに慣れている方が多いので、ときどき、熟成お漬物を食べて、違和感を感じるお客様がいらっしゃいます。熟成お漬物は、もともと保存食として用いられてきました。
雪国、飛騨高山の熟成漬物と、京都の浅漬け漬物の根本的な違いは、気候風土の違いから生まれた食文化の違いなのかもしれません。年中新鮮な野菜が収穫できる地域では、即席的にあっさりとした浅漬けお漬物が主流になりますが、北国や雪国では特に冬に野菜が収穫できない環境にあるため、主に晩秋に収穫された野菜を長期間保存する工夫として、日本のお漬物文化が発展してきました。
それは、まるで赤だしと、白味噌のお味噌汁の違い、または醤油ベースのお吸い物など、地域によって嗜好も味も大きな違いがあります。それぞれに良さがあり、楽しみがあります。そのくらいお漬物も地域によって千差万別な食べ物になります。
近年、全国的に販売されているお漬物が、サラダのような浅漬けが主流になっています。なぜでしょうか。手軽にできあがる浅漬けに対して、乳酸発酵で長期熟成させたお漬物づくりには、手間がかかり、長い日数を必要とします。家庭はもとよりメーカー工場でも、手間と時間(てまひま)かかることは、効率がわるく避けられがちになるでしょう。
●よしま農園のお漬物は、漬物がもつ発酵のチカラによって、熟成されています。一般的な漬物の多くが発酵させず、調味料漬けで味付けされたものになりつつあります。よしま農園でも浅漬けはありますが、できるだけ発酵のチカラを活かした旨みのある製品を大切にしてます。
化学調味料を用いず、自然な熟成をされた漬物は、独特の酸味と風味があります。「昔の漬物」と言えば適当かもしれませんが、これが本当の健康につながる漬物の効用があるでしょう。
漬物好きの方には最高な味だと思いますが、一般的な浅漬けを好む方には、少々クセを感じるかもしれません。
浅漬けと、熟成漬け(「ひねづけ」とも言われます)は、それぞれ特徴があり、良さがあります。
- 浅漬け
- 新鮮さを活かし、素材の美味しさそのもの。浅漬けであっても、軽く乳酸発酵させることで旨みが引き立つ製法もあります。または、砂糖とお酢が主体の味。
- 熟成漬け
- 乳酸発酵が生み出す深いコク。素材以上の味の深さが生まれる。
●発酵=素材以上の味を
引き出す力=乳酸菌の力
若者の漬物離れ?
予想以上に熟成漬物は人気です。
特に、小さな子供たちが「ママ、このお漬物おいしいぃ〜よ」と言って、よしま農園の漬物試食販売から離れないお子さんと出会うことがよくあります。
よしま農園のお客様は、意外と若い方が多いんです。朝市直売店では、必ず試食をして頂き、ご納得いただいてからお求めいただくのですが、例えば、浅漬けの赤かぶ甘酢漬けと、熟成漬物の、スッパさある赤かぶ丸漬けとを比べて頂くと、かなりの確率で、若い方と10歳未満のお子さんが「赤かぶ丸漬けのほうが美味しい」、と言っていただくのです。
なかには、漬物を見ただけでも「絶対に食べられない」といわれる方もいらっしゃいますが・・・
■和食を基本とした日本人の魂に響くのでしょうか?
■乳酸発酵熟成お漬物の成分を、身体が欲している本能的なものでしょうか?
毎年11月に1年分の赤カブの漬け込みを行います。ちょうど霜強く、小雪が舞い始める季節です。1ヶ月ほどかけて漬け込まれた桶は次第に表面に酸膜酵母が張り、白くなってきます。すると、そのころから、中からポコポコと音がし始めます。発酵音です。
各桶から出てくる音が鳴り響き、とてもにぎやかな様子です。そして12月中旬ころ、外気は氷温となり、その冷え込みが発酵さえも止めてしまいます。ポコポコ音が静まり返るのもこのときからです。そこでじっくり氷温熟成が始まります。春になり、暖かくなるころに、またポコポコなり始めます。春の訪れ(音連れ)を知らせてくれるかのようです。
熟成漬物は、季節とともに変化し、味わい深くなります。人にやさしい味も、その季節感から生れてくるのかもしれません。塩分は、もともと塩辛いものです。
しかし、乳酸発酵の熟成を経ると、つまり、塩をしっかり使用する漬物の味は、発酵次第で味が大きく変わってきます。 よしま農園では、その発酵過程を機械的なもので行うのではなく、昔ながらの木樽と、飛騨高山の冬の氷点下の日々が続く、この気候風土にまかせて行っています。
発酵熟成には、原料収穫の秋から冬、そして春にかけての天候、気温などに大きく影響されてきます。浅漬け漬物が簡単に味のコントロールができるのに対し、熟成漬物の味の調整が難しいのはこのためです。また、場合によっては発酵が遅く、納得いく味わいに至るまでに通常よりも日数がかかる場合もあります(その逆もあります)。
熟成の度合いによって漬物そのものの味わいは若干変化してきております。それはのです。その効果は、赤かぶ丸漬け、沢庵などには顕著に現れます。本来、お漬物は和洋食、どんな料理でも名脇役として存在感満点です。
製造技術の工夫が無添加を可能にした
1.保存料をつかわない。
賞味期限を長く保つための工夫
- 包装袋の改良
- 製品が入っているポリ袋は見た目ではわかりにくいですが、2〜3重構造になっています。材質の異なるフィルムを何層にも重ねていることで、入っている製品を外気から守り、強い光から守ります。
透明でありながらも、高い機能性をもった包装資材選びを大切にしています。
- 低温殺菌
- 樽出ししたお漬物をパック詰めし、密閉し常温で放置すると、ほとんどの場合数日で発酵がはじまり活発な発酵ガスの発生で袋がパンパンに風船のように膨れ上がってしまいます。
菌が活きている証拠ですが、これでは製品として安定した状態を保つことが出来ません。当然発酵しすぎたものは味が極端に劣化しています。
極端な発酵をくいとめるためにおこなうのが、製品の低温殺菌です。日本酒でいう「火入れ」という工程になります。味の変化はありますが、確実な賞味期限をもつことも大切だと考えています。
- 細菌検査
- 一般細菌数、大腸菌群、サルモネラ菌ほか、定期的な製品保持確認の細菌検査をおこない、専門機関による科学的に安全性の確認を行っています。
必要に応じてその結果を開示いたしております。
- 冬の気候を
- お漬物が本来作られるのは冬を基本としています。冬はじっくり発酵が進み、ほかの雑菌が繁殖しにくいためとても良い条件です。
年間通じて製造を行うにあたり、冬の環境を保ために、大型冷蔵室を完備し、製品の安定化に努めています。
【衛生管理に十分配慮した、
衛生施設で製造がおこなわれています】
2.着色料をつかわない
・・・自然な色
【無添加・自然色】乳酸発酵は
紅色をより一層ひきたてます。
■ 浅漬けの赤かぶ甘酢漬・・・・お酢による発色
■ 熟成赤かぶ漬・・・乳酸発酵による発色
※赤色色素アントシアニンの特徴
3.精製食塩から、
ミネラル含む天日塩へ
気になる、お漬物の塩分?
むやみな減塩はかえって体の機能を低下させる
漬物のもつ乳酸菌が生み出す酵素は、体内の余分な塩分を除去分解させる能力があるスリムで健康、そして長寿
添加物をつかわないことで起きる問題はいくつかあります。樽出ししたてを家庭で食べること以上に、漬物製造業として商品化したものを一定の賞味期限をもたせて流通販売するためにはいろいろが工夫が必要でした。
・・・・畑では低温になるほど赤色色素が増してきます。加工ではphが下るほど発色します。
お酢はphが低く、素材の保存性を高め赤色色素を引き出します。また、乳酸発酵もph(酸度)を下げる働きがあります。自然の力で色づきます。
塩と言われるものには、種類があります。代表的に3種に分類されます。精製塩、岩塩、そして天日塩になります。それぞれ特徴がありますが、よしま農園では、天日塩を使用しています。
古来からの海水由来で海のミネラルを多く含み、塩角すくなく、まろやかな味が製品の旨みにも直結します。また、乳酸菌が元気にはたらくためのミネラルは、発酵の助けにもなっていると思います。(塩のことを語り始めると、長くなるので、省略させて頂きます)飛騨高山よしま農園のお漬物の塩分濃度は2.8〜3.5%です。
お漬物は、食事の脇役です。食事の全体の塩分量からみたばあい、お漬物に占める割合はとても低いものです。お漬物を食後のシメに小皿のひと箸食べたところで身体に重大な影響を与える塩分量にはなりにくいのが現状ではないでしょうか。大切なのはどんなものでも食べすぎないこと、バランスよい食事をとることだと思います。
十分な塩分(天日塩)をとるということが健康維持のためにも不可欠で、ということも、自然食の基本理念として忘れないようにしたいと思っています。
暑い夏になって汗をかきやすくなる季節になると、よくだるさ(倦怠感)を訴える方が多く見られます。このとき、体は水分をとるのですが、あわせて極度の塩分不足による体液の濃度障害を引き起こしているといわれます。よしま農園のお漬物は、特にそのようなときに体に必要な塩分、ミネラル、酵素等をバランスよく摂取できるので、即効的なサプリメントのような効果があるかもしれません(サプリメントでは必要な塩分はとれません)。
また、塩分は高血圧のもとになっているということが言われますが、実は、天然天日塩の場合はそのようなことがおこりにくいといわれています(精製塩が問題)。
また安心できるのが、とまで言われています。日本人が漬物や味噌などを昔から食べてきて、になってきたのも、この塩分を基調にした発酵食品の食生活があったからだともいわれているそうです。天然天日塩が良いというのは、味にとってよいということもあります。
精製された99%Naclの食塩はただ単に塩辛いだけのものですが、天然天日塩は、そのものの塩分濃度は90%以下で、残りの10%には、海のミネラル(生命に必要)が豊富に含まれています。舐めてみても、とてもまろやかで、塩カドがなく、素材のもつ味をじっくり引き出す働きのある、まさしく活きた塩です。天然の塩であれば、天然の発酵菌にとっても、相性がきっと良いのだと思います。
しっかり乳酸発酵させたお漬物は、化学調味料が必要なくなります。
では、なぜ一般的に製品化されている多くのお漬が化学調味料(アミノ酸等)が含まれているのでしょうか。
本来の製法である乳酸発酵と熟成の手間を省き、即席的かつ工業的にお漬物らしい味につくりあげるには、化学調味料(アミノ酸等)を使用することが好都合だったのです。
化学調味料(アミノ酸等)、保存料、着色料等の食品添加物を使うと、いつも安定した味が実現し、保存性もよく商品として流通販売ではトラブルが起きにくくなります。
逆に添加物等をつかわない食品加工品は、品質の安定化がとても難しく、製造では悩みがつきません。いろいろな工夫をつみかさねることで、ようやく商品として皆様にご提供できる品物が実現します。私たちにとって、何よりも大切なのは、食べる方々の健康と安心を願う心です。
そして本当の美味しさの追求です。日本の食文化の変化からいえば、家庭で漬物を漬けることがほとんど見られなくなってしまいました。そして簡単にお店で買って食べることができる漬物に頼ってしまっているのが現状なのだと思います。
市販のお漬物のほとんどが化学調味料等の添加物によってつくられたお漬物であれば、人の身体は本能的に避けるようになり、結果的にお漬物離れが進んでいるのかもしれません。「食」という字は、人が良くなると書きます。
現代の食は、人が不良となる食べ物がとても多いのではないでしょうか。効率化、安さ、大量生産ということがもたらした「食」の乱れは、私たちの食生活と食文化、そして健康を著しく乱す原因となっているのではないでしょうか。
本来、人によって良くなる食の名脇役であるお漬物であれば、それは自然な形で食欲が進み、健康の源としての食となるでしょう。そうある日を想い、日々努力させて頂きたいと思います。