食べる方の健康を第一に想い、飛騨高山よしま農園のお漬物、加工品等は、無添加(化学調味料、着色料、保存料等の食品添加物に分類されるもの)を使わない製造を基本姿勢としています。
皆様へ提供する食べ物は、無添加(化学調味料等を使わない)でありたいと想い、試行錯誤した結果、日本の古式製法に立ち返ることが、たどりついた答えでした。
古式伝統製法について詳しく「天宝九年漬物・木樽の物語」→
食は人が良くなると書きます。本来の食を求めて
浅漬けか、熟成か。地域性と好みによっても
●近年、日本全国のお漬物は、浅漬けが主流になっていますが・・・
私共は、あえて、熟成したお漬物づくりを行いたいと思います。浅漬けに慣れている方が多いので、ときどき、熟成お漬物を食べて、違和感を感じるお客様がいらっしゃいます。熟成お漬物は、もともと保存食として用いられてきました。
雪国、飛騨高山の熟成漬物と、京都の浅漬け漬物の根本的な違いは、気候風土の違いから生まれた食文化の違いなのかもしれません。年中新鮮な野菜が収穫できる地域では、即席的にあっさりとした浅漬けお漬物が主流になりますが、北国や雪国では特に冬に野菜が収穫できない環境にあるため、主に晩秋に収穫された野菜を長期間保存する工夫として、日本のお漬物文化が発展してきました。
それは、まるで赤だしと、白味噌のお味噌汁の違い、または醤油ベースのお吸い物など、地域によって嗜好も味も大きな違いがあります。それぞれに良さがあり、楽しみがあります。そのくらいお漬物も地域によって千差万別な食べ物になります。
近年、全国的に販売されているお漬物が、サラダのような浅漬けが主流になっています。なぜでしょうか。手軽にできあがる浅漬けに対して、乳酸発酵で長期熟成させたお漬物づくりには、手間がかかり、長い日数を必要とします。家庭はもとよりメーカー工場でも、手間と時間(てまひま)かかることは、効率がわるく避けられがちになるでしょう。
●よしま農園のお漬物は、漬物がもつ発酵のチカラによって、熟成されています。一般的な漬物の多くが発酵させず、調味料漬けで味付けされたものになりつつあります。よしま農園でも浅漬けはありますが、できるだけ発酵のチカラを活かした旨みのある製品を大切にしてます。
化学調味料を用いず、自然な熟成をされた漬物は、独特の酸味と風味があります。「昔の漬物」と言えば適当かもしれませんが、これが本当の健康につながる漬物の効用があるでしょう。
漬物好きの方には最高な味だと思いますが、一般的な浅漬けを好む方には、少々クセを感じるかもしれません。
浅漬けと、熟成漬け(「ひねづけ」とも言われます)は、それぞれ特徴があり、良さがあります。
特に、小さな子供たちが「ママ、このお漬物おいしいぃ~よ」と言って、よしま農園の漬物試食販売から離れないお子さんと出会うことがよくあります。
よしま農園のお客様は、意外と若い方が多いんです。朝市直売店では、必ず試食をして頂き、ご納得いただいてからお求めいただくのですが、例えば、浅漬けの赤かぶ甘酢漬けと、熟成漬物の、スッパさある赤かぶ丸漬けとを比べて頂くと、かなりの確率で、若い方と10歳未満のお子さんが「赤かぶ丸漬けのほうが美味しい」、と言っていただくのです。
なかには、漬物を見ただけでも「絶対に食べられない」といわれる方もいらっしゃいますが・・・
■和食を基本とした日本人の魂に響くのでしょうか?
■乳酸発酵熟成お漬物の成分を、身体が欲している本能的なものでしょうか?
塩(天然天日塩)を基本に、乳酸発酵による長期熟成法を今に再現した 赤かぶ漬けは、独特の酸味とコクにあふれます。一般的な甘酢漬けとは異なります。
木樽で熟成させることで実現した無添加(化学調味料等をつかわない)の自然味。
【古式伝統製法の再現・・・天宝九年漬物木樽の物語】
日本は、発酵食品の先進国といわれていますが、長年の歴史のなかで培われてきた食文化が近年崩れようとしています。それは本来、主に家庭で作られてきた発酵食品が食品工場で作られるようになったためです。
味噌、醤油、酒、漬物などの発酵食品が、発酵していない食品になってしまったのです。それは食品工場がおこなう速醸造法と食品添加物の使用が原因です。
昔ながらの天然醸造と、
近年の速醸造法の違いは?例えば味噌で
天然醸造・・・
味噌は煮た大豆と米糀、そして塩を混ぜて仕込み、約1年以上かけてゆっくり発酵熟成させることで作ります。元々の材料の大豆たんぱく質や米のデンプンは糀菌と酵母菌等の働きで複雑な成分に変化し、旨味となります。そして発酵の過程で生まれる様々な酵素が人の身体にとって有益で、健康につながると言われています。
速醸造法・・・
仕込んだ、味噌の材料を、加温して強制的に発酵させる方法。すると味噌が3か月ほどでできます。1年以上の本来の熟成に対し3か月で完成すれば、その工場は生産量が4倍にもなり効率がよくなり生産コストが下がるメリットがあります。ただし、短い期間と高温条件下でしか繁殖しない微生物が主体となって熟成されるため、発酵過程が単純で、本来の熟成味噌のもつ味や香りに乏しいことが多いです。製造工場は、物足りない旨味を補うために、化学調味料を添加し、保存性を保つために保存料等を使うようになりました。場合によっては熟成したかのような色合いを出すための化学合成着色料で色付けされます。
日本酒、醤油そしてお漬物も味噌と同じ速醸造法の方法をとり、化学合成された調味料や保存料、着色料、そして香料などの食品添加物を使用する技術によって、あたかも発酵熟成したかのような味と見た目の食品が作られるようになりました。 食品添加物は国の基準で安全性を確認し使用を認可されたものですが、問題なのは食品に含まれる食品添加物が数十種類体内で混ざり合った場合に複合的に結合し身体に危害を与えるということです。
この臨床試験はほとんど行われておらず、加工食品の危険性が長年叫ばれています。 日本の食品工場の多くが食品添加物の使用を採用することで、生産コストは下がり、安定した味が実現し工業的に量産が可能となったのですが、その一方、昔から家庭の主婦や、職人たちによって手間暇かけて作られてきた発酵熟成という技術が失われてきたのです。
自然豊かな日本の大地。1年が春夏秋冬の季節にわかれ、季節ごとにある自然の恵みのなかで人々は暮らしています。特に飛騨高山の冬は氷点下の日々が続き、雪が降り積もる厳しい環境になります。その冬の保存食を確保する技術として、発酵食品文化が発展してきました。古くから漬物、味噌、醤油、お酒づくりが盛んに行われています。
野菜の味がしなくなった訳・・・味がしないために調味料過多に陥る
よしま農園のお漬物や加工品は、食べる方の健康を第一に願い、食品添加物を使用しません。日本人が古くから培ってきた発酵熟成法を継承することを大切にしています。
原料野菜の問題 食品加工において化学調味料等が多く使われるようになった背景には、もうひとつ、原料野菜の味が低下したこともあげられます。 農業の現場でも加工食品と同じことが起きています。現在の農業は、化学肥料と農薬の大量使用により、野菜はより早く成長し、収穫量も多くなり、生産性は安定するようになりましたが、野菜本来の生命力と土壌の力が乏しくなりました。そのため、野菜は生育するときに必要なミネラルが十分に吸収できていないのです。野菜にとってミネラルは直接、美味しさに影響します。「野菜が昔の味がしなくなった」と、よく言われます。逆に無農薬自然栽培された野菜の美味しさに感動します。
季 節 | 漬物の熟成度合い | 身体の変化 | 漬物の力 |
2月 (冬本番) |
初樽出し。爽やか、スッキリ味。低塩分 | 野菜不足になりがち | 野菜を食べる感覚で不可欠 |
3月 (寒暖差ある) |
熟成も進み、旨味がでる | 風邪をひきやすい | 漬物に含まれるミネラルで体力をつける |
8月 (暑い毎日) |
酸味がではじめ、身体が引き締まる。 | 夏バテ、倦怠感。 | 身体に必要で、不足しがちな塩分をしっかりとります。熱中症対策に塩分。 |
10月 (食欲の秋) |
酸味と素材の旨味が絶妙に調和。最高に美味しい時期。 | 食欲の秋 | この味はご飯が進みます。 |
11月 (寒い) |
古漬け。熟成最終段階。この時期の漬物が人気が高い。 | 1年の疲れがでるころ | 少量食べて元気がでる。熟成酵素が豊富。 |