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肥料・農薬・堆肥をつかわず作物栽培する
無肥料自然栽培
No input cultivation System
presented by Yoshima Farm 飛騨高山よしま農園
肥料と農業の歴史と、その未来
details
肥料と農業の歴史と、その未来 ■無肥料無農薬栽培からみる■
「特集・・・食糧と化学を考える」
はじめに
収量倍増の歴史的功績
新たに取り組むべき問題点
資源の枯渇
今後の展望
肥料の貢献と今後のゆくえ
1・はじめに
2・収量倍増の歴史的功績
3・新たに取り組むべき問題点
4・資源の枯渇
5 今後の展望
(日本化学会誌掲載記事2005年「化学と工業」誌、日本化学会 発行、Vol.58-6 june 2005・CHEMISTRY & CHEMICAL INDUSTRY 与嶋靖智 投稿記事)掲載記事・666-667肥料と農業、食糧生産の歴史的背景を検証し、現在の世界的情勢を踏まえたうえで、将来の農業の進む姿を指し示しています。 現在私たち人類は、この限られた地球上に生きている。そしてこの地球上の人口は、1950年には25億人だったのが、わずか50年経った現在、59億人になり、さらに2025年には79億人にまで達するといわれている(United Nations,Population and Vital Statistics Report 2002)。そして、それに伴い人類は必然的に襲い掛かってくる食糧危機の問題に直面している。 その対策に迫られているなか、今日まで私達は、人口増加にともなう食糧増産をどのように行ってきたのだろうか。この答えになるような一端を、日本の稲作を例にとって検証してみることにする。 日本の稲作の単収は、1880年(明治)ころは200kg/10aだったのが、1930年(昭和初期)には300 kg/10aに、さらに1985年以降は500kg/10aと、わずか100年ほどで2倍以上の収量の伸びを得てきた(全国平均値)。稲作の増収を可能にしたのは、いったい何だったのだろうか。増収要因の筆頭に上げられるのは、戦後日本で急速に普及が進んだ肥料と農薬使用量増加である。そして、それにあわせて施肥効果が顕著に現れる多収性品種の育成が進んできたことも大切な要因である。逆に著しく減少したのは、単位面積当たりの労力である。1955年に10aあたり190時間(そのときの収量は335kg/10a)に対し、わずか35年経過した1990年には10aあたり44時間(そのときの収量は494kg/10a)と、収量と労力のバランスは全く逆転してしまっている(食糧庁『米麦データブック』2002 年版。労力の激減をもたらした要因は、農業機械の普及と農村農地の基盤整備事業の推進である。近代化日本の基盤となった土木事業と機械工業の高度化は、農業においてもすばらしい功績を果たしてきた。このように日本における稲作増産の歴史は、肥料農薬の開発と普及のみならず、土木事業、農業機械開発、そして優良な品種の育成などが密接に関わっており、それらのいずれを欠いても、近年の稲作体系の確立は得られなかっただろう。いわゆる「化学と工業」の歴史的功績である。そして、世界的にみても、この化学と工業が農業に果たしてきた役割は大きく、日本の稲作増収傾向を世界各国の農産物においても同様にみることができる。 しかし、農業の過去数十年の趨勢をみると、生産の現場では、様々な問題を抱えるようになってしまった。それは、単に栽培技術革新の停滞による収量の伸び悩みということではなく、生産基盤である土壌の荒廃が主たる問題となり、減収要因にまでなっていることである。現在の耕作地のうちの15億ha近く(米国とメキシコを合わせた面積よりも広い)が中程度から重度の土壌劣化がおきているそうで、1年間に500万ha以上が砂漠化しているといわれる。これは、今までに農業の増収技術として繰り返してきた肥料、除草剤そして農薬の乱用が原因といわれ、さらには風雨や地下水位の低下などで土壌浸食や塩害が拍車をかけ、今後土壌劣化はますます進行すると懸念されている。また、特に日本のような集約的な農業が行われている国では窒素成分の過剰施用が著しく、土壌に吸着しきれない窒素成分が地下水へ流出し、周辺水系の富栄養化という深刻な環境汚染をもたらしている。この過剰窒素は化学肥料の使用だけが原因ではない。家畜糞尿堆肥や有機肥料の使用なども大きな懸念材料として挙げられている。有機農法を推進すれば、土壌が良くなり、環境が保全されるという概念が覆される一端であろう。 また、これから先の世界の食糧を考えるうえでもうひとつ見逃すことのできない事柄がある。それは肥料の絶対量の不足である。肥料の3大要素といわれる窒素・燐酸・カリウムのうち、窒素肥料の大部分はアンモニアが原料で、そのアンモニアは大気中の窒素と水素を高圧下で反応させて作るため無尽蔵に生産できる(生成エネルギーは必要)。しかし、燐酸とカリウムについては、それぞれリン鉱石、カリ鉱石が主原料となっており、その採掘資源の世界的枯渇が叫ばれている。また、化学肥料に代わる有機肥料においても同様に資源の枯渇が深刻である。現在の日本における有機農法をみた場合、有機肥料の主原料となる菜種油粕は98 %が輸入品である。また、堆肥の原料になる畜産排泄物についても同様で、現在の日本の畜産業は、70%近くにもなる輸入飼料への依存が欠かせない基盤となっている。この状況のなか、今後諸外国が食糧のみならず肥料資源を安定的に日本へ輸出してくれるという保障はない。現行の施肥をともなった増収技術はもはや限界の窮地に立たされており、このまま世界が食糧生産を続けたとしても、世界の食糧生産量は、増収をするどころか、減収の一途をたどることは必至である。 近年、欧米では低投入持続型農業(LISA:Low Input Sustainable Agriculture)という概念が、有機・無機肥料問わず、農業全般的に重要な方向性として広く認められ始めている。それは、農地外部からの投入資源に頼った農業をなるべく控え、必要となる有機物や肥料成分を、緑肥作物の導入(粗大有機物、炭素成分の補給)やマメ科作物(窒素固定力をもつ)の輪作といった、自己完結的な自然のシステムがもつ小循環を最大限に活用する体系である。さらに日本では「無肥料栽培」と称し、化学肥料農薬はもとより、有機肥料や堆肥さえも一切使用しない栽培体系が全国各地の現場農家レベルで急速に拡大しつつある。なかには 10年、20年以上の長期実施において極めて安定的に収量を得ている農家もみられる(収量は施肥栽培の約1割から2割減)。現代の土壌肥料学を覆す現実である。しかし、その栽培で生産量が安定するまでには 3年から5年ほどかかるといわれている。それは、現在までに農地へ入れ続けられてきた膨大な量に及ぶ肥料や過剰な有機物、そして農薬などの残存による、土壌の劣化が深刻なことによる自然回帰への時間が長いということが、全ての農地で一律に良成績がすぐに上がらない原因でもあろう。また、現状の施肥栽培用に品種改良された種子の特性そのものの問題点もある。しかし将来に向けて方向性を失った現代農業に対しては、無肥料栽培は新しい時代への新しい農業の指針を示すことができる力を感じる。そして、現状の農業を続けて益々、土壌劣化と将来不安を増大させるよりも、一時的不安定を経ながらも、将来的に永続的安定生産を確実に図ることのほうが、私達人類にとっては希望が持てることになろう。そこに、これからの化学は何が貢献できるのであろうか。今まで化学がもっていた見地をはるかに超えるような、新しい化学の台頭を望みたい。
うわさの無肥料栽培とは
「現代農業」(農文協)誌・2005年9月掲載記事・土壌肥料特集
「農家が教える自然農法」(2016.農文協)掲載記事
「有機農業」とも「放任栽培」とも違う「無肥料栽培」
「肥毒(ひどく)」=肥料の害、という考え方
無肥料でなぜ作物が育つのか
植物の根の自作自演 チッソ固定菌も菌根菌も無肥料でこそ生きる
現在の科学では説明できないが……
無肥料栽培実施にあたって、取り組むべき課題は大きくあげて二つ。
土にたまった肥料を抜く
物理性改善は、無肥料栽培でもとても重要
大自然と土の偉力を感じよう
無肥料栽培は、喜びの農業
「現代農業」誌・2016年9月掲載記事・土壌肥料特集掲載記事
堆肥も入れない理由
畑と作物の相性に気づく
作物主導の栽培
作物が判断し応援してくれる
よくある質問
輸入肥料資源にはいつまでも頼れない
儲ける農業から喜ばれる農業へ
これからの農業は・・・【スリーエフ農法 藤野順弘氏公開文集】より
「これからの農業は」心と身体をよくする食物づくり
水は記憶する(平成15年9月17日)
小規模農家にやりがい(平成15年10月7日)
良い物 作れば儲かる(平成15年10月27日)
美味しいものは身体に良いもの(平成15年11月27日)
葉やツルを動かして返事をしてくれる作物たち(平成16年1月17日)
美味しい作物を作るには(平成16年2月7日)
「これからの農業は」無農薬野菜で未病から回復
上薬たる野菜を作るには
無農薬栽培
人の心に効く作物づくり
世の中を変える農業とは
これからの土づくり
「これからの農業は」心と身体に効く無農薬野菜をつくる
これからは病気は未病のうちに(第968号)
これからの生き方は「三位一体の生き方」が必要なのでは
これからの農業は減収が始まる。対応は土の力で
詳しくは、藤野順弘氏公開文集へ
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有機農法の、その先の世界
【無肥料自然栽培とは】
化学肥料・農薬はもちろんのこと、有機肥料(堆肥、米ぬか、油粕、魚粕、腐葉土等を含む)を一切使用せず、
土壌と作物そのものがもつ本来の偉力を発揮させることで作物を栽培する農法のことです。これからの農業がゆく、道しるべがあります。
この栽培方法は、もちろん無農薬です。放任農法ではありません。
※除草も、管理も十分に行います。 不耕起ではありません。耕します。
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